2歳ごろになると「歯磨きを嫌がる」子どもが増えてきます。
- 毎晩、歯磨きのたびに大泣き‥
- 嫌がって暴れるから羽交い絞めで無理やり‥
そんな状況に頭を抱えていませんか?
歯磨きを嫌がるのは、多くのこどもに共通する発達段階のひとつです。
本記事では歯磨きを嫌がらずにできる「対策や工夫」と合わせて、「歯磨き以外の虫歯予防の手段」をお伝えします。
日々のストレスから解放され穏やかな歯磨きタイムを手に入れましょう!
2歳前後が歯磨きを嫌がる3つの理由
2歳頃になると、歯磨きを嫌がる子どもが増えてきます。「その時の機嫌」なんていうこともありますが、実は、歯磨きを嫌がる理由は他にもあります。

歯磨きを嫌がることに理由があるの?
3つ理由があるから順番に説明しますね

イヤイヤ期による反抗
2歳頃(1歳半~3歳前後)になると自我が芽生え、「イヤイヤ期」に突入する子どもが増えます。
イヤイヤ期の特徴
- 親の言うことに何でも「イヤ」と反抗する
- 自分で何でもやりたがる
- 感情の起伏が激しい
自分の感情や意思をより適切に伝えるための過渡期である「イヤイヤ期」。

「イヤ!」ばかりでついついイライラ・・・
そうよね。でもこれも子どもが成長している証!

何でも「イヤ!」と反抗するため、歯磨きを拒否する子どもも多く、毎日大変な思いをしているというパパママも多いですよね。
自分で歯磨きをしたがるのに仕上げ磨きは嫌がる、というお子さんも多く、暴れないように強く押さえつけて無理やり仕上げ磨きをしているというパパママもいらっしゃることでしょう。
しかし、それは逆効果。「歯磨き=嫌なこと」と記憶し、もっと歯磨きを拒否するようになりかねません。
ポイント
単なる反抗期ではなく、自立心と感情表現の能力を育む重要な時期ととらえる。
毎日毎食後の歯磨きがストレスになるパパママの気持ちもよくわかりますが、お子さんの成長過程であると考え、適切にサポートすることを心がけましょう。
口の中の違和感や恐怖
「歯磨きをすること」は、大人にとって当たり前のことでも、2歳の子どもにとっては違います。
歯磨きをするという行為にまだ慣れていない子どもにとって、歯ブラシの感触や歯を磨く動きは新しい体験です。そのため、口の中の違和感や恐怖を感じる子どももいます。
歯磨きという行為自体にまだ慣れていない段階であれば、最初から長時間歯を磨くことを目指す必要はありません。
歯磨きのポイント
- まずは歯ブラシに慣れさせること
- 慣れてきたら歯や歯茎をそっと触れることから
- 少しずつ時間を延ばしていく
少しずつ歯ブラシの感触や動きに慣れていくことで歯磨きを自然と受け入れてくれるようになります。
思い通りにならないことへの不安
イヤイヤ期を迎えた子どもは、親の言うことにはとにかく「イヤ!」と反抗します。
また、「自分で何でもしたい」という自我の芽生えも伴うため、親に磨かれることを嫌がるというのも珍しくはありません。
- まずは子ども自身に好きなように歯磨きをさせる
- 自分で歯磨きをすることで、「自分でやりたい!」という気持ちを満たしてあげることができます。
自分で磨いて満足した後に、仕上げ磨きをしてあげましょう。
歯磨き選びのポイントとしてのどをつかない歯ブラシを選びましょう
小さいお子さんの歯磨き練習用の歯ブラシも売られていますので、安全な歯ブラシを選ぶことを心がけてください。
また、命に係わる大事故につながる可能性もあるので、歯ブラシをくわえたまま歩いたりしないように、パパママは絶対にお子さんから目を離さないようにしましょう。
嫌がる子どもと楽しく歯磨きをするコツ

歯磨きのたびにストレスで‥子どもと楽しく歯磨きをする方法はない?
子どもが成長している証だとわかっていても、毎回反抗されていてはパパママのストレスになってしまいます。
そこで、嫌がる子どもにイライラせずに楽しく歯磨きをするコツをご紹介します。
子どもが好きな歯ブラシを使わせる
歯磨きを嫌がる子どもには、歯磨きが楽しいと思える工夫をすることが大切です。
特におすすめなのが、お子さんが好きなキャラクターの歯ブラシで気分を上げることです。
- 子どもに歯ブラシを選ばせる
- 我が家では、必ず子供たちと一緒に歯ブラシを購入しに行き、子供自身に歯ブラシを選ばせています。
- 自分で選んだお気に入りの歯ブラシは、歯磨きをする意欲を高めてくれ、率先して歯磨きをしてくれるようになりました。
- 多少高くても仕方ない
- キャラクターものの歯ブラシってなんであんな高いんでしょうね、、
- 「それはちょっと・・・」と言いたくなりますが、お子さんのための必要経費だと思いましょう。
お子さんのお気に入りの歯ブラシは、きっと楽しい歯みがき時間にしてくれます。
また、「お子さんが自分で磨く用の歯ブラシ」と「仕上げ磨き用の歯ブラシ」は分けましょう!
仕上げ磨きの歯ブラシは、お子さんの年齢に合った歯ブラシをパパママが選んでください。
個人的なおすすめな「仕上げ磨き用歯ブラシ」になります。なぜかこれを使うと「イヤイヤ」がなくなりました。
歯磨きの重要性を理解してもらい、絵本や歌を活用して楽しい歯磨き時間にする
「歯を磨かないとどうなるか」を具体的に伝えることも重要です。一種の脅しともとれる手法ですが、子どもには効果絶大です。
しかし、長く難しい説明はNG。2歳児でも理解できるように、わかりやすく、短く、端的に伝える必要があります。
- 歯磨きをしないとどうなるかの伝え方
- 『歯が痛くて好きなご飯が食べられなくなっちゃうよ』
- 『歯が抜けてお友達とおしゃべりできなくなるよ』
- 歯磨きをすることのメリットの伝え方
- 『かっこよくなるよ!』『もっとかわいくなるよ!』
小さいころから歯磨きをする重要性を理解し、歯磨き習慣を身につけておくことで、「将来の歯」の健康にもつながります。
しかし、いくら歯磨きの重要性を伝えても、それが子どもにとって歯を磨く楽しさにはつながりません。そこで、おすすめなのが「歌」と「絵本」です。
上記は、我が家の子どもたちが特にお気に入りの歌と絵本です。
おすすめの歌と絵本
- 歌:はみがきじょうずかな(おかあさんといっしょ)
- 「はみがきじょうずかな♪」と歌い始めると喜んで仕上げ磨きにきてくれます
- 絵本:「はみがきれっしゃしゅっぱつしんこう」(くぼまちこ著)
- 「しゅっしゅっしゅっ」という掛け声とともにお口を大きく開けてくれます
歯磨きに関する絵本や歌は豊富にあります。お子さんのお気に入りのアイテムを見つけてみてください。
また、「YouTube動画」や「歯磨きアプリ」を活用することもおすすめです。お子さんが楽しいと思える歯みがき時間にしましょう。
ごっこ遊びをしながら寝かせ磨き
仰向けに寝かせることで、パパママはお子さんの口の中がよく見えるようになり歯を磨きやすくなります。
- 歯を磨くときは上唇小帯に触れないように注意する
- 歯磨き中に、歯ブラシが上唇と歯茎をつなぐ上唇小帯に当たると痛みを感じ、歯磨きを拒否する原因にもなります。
仰向けに寝かせ、この部分に歯ブラシが当たらないように注意しながら磨くことを心がけましょう。
子どもは歯磨きがただの医療行為であると理解するとイヤイヤが加速します。そのため、遊びの中の一つという認識を持たせる工夫をすることが大切です。
- 歯医者さんごっこ
- パパママごっこ
無理に仰向けにさせないということがポイントです。ごっこ遊びを取り入れることで、スムーズに仰向けにすることができます。
ごっこ遊びの中で、子どもに歯医者さん役やパパママ役をしてもらいパパママが患者さん役や子ども役をすることもおすすめ。
パパママが楽しんでいる姿を見れば、お子さんも楽しく歯磨きをしてくれること間違いなしです。楽しそう~羨ましそう~とホイホイきます。
歯磨き以外の虫歯対策
仕上げ磨きはしているけれど、それで十分な虫歯対策になっているのかわからないという方もいらっしゃることでしょう。
フッ素入りタブレット
フッ素は歯の健康を守る効果があるとされており、虫歯予防として広く知られています。
フッ素の働き
- 再石灰化の促進
- 酸の生成の抑制(虫歯菌の増殖を抑える)
- 歯を強くする
フッ素は虫歯予防のためにも毎日の歯磨きで取り入れてほしいものです。フッ素入りの歯磨き粉などもおすすめですが、フッ素入りタブレットは特におすすめです。
お菓子感覚で喜んで食べてくれるので、歯磨きをした後のご褒美としても最適です。
- 2~3歳児におすすめのフッ素入りタブレット2選
- お子さんが喜んで食べてくれるフッ素入りタブレットを試してみてください
ただし、2歳児がフッ素入りのアイテムを使用する際には、注意したい点もいくつかあります。
2歳児がフッ素入りアイテムを使用する際の注意点
- 2歳児は「500ppm以下」の低濃度フッ素を選ぶ
- 1回の使用量を守る
フッ素が配合されているアイテムは、年齢によって推奨されているフッ素濃度が異なります。お子さんが安心して使用できる、年齢に合ったフッ素入りタブレットを選ぶことを意識しましょう。
お茶や水を積極的に飲ませる
虫歯予防において、「菌を口内にとどまらせない」ことは非常に大切です。そのため、食事のあとやおやつのあとなどは、積極的にお茶や水を飲ませて洗い流すことを心がけましょう。
子どもがお茶や水を飲んでくれないからと言ってジュースやスポーツドリンクを飲ませてしまいたくなる気持ちもわかりますが、「ジュースは1日1回、おやつの時間だけ」などと決めてメリハリをつける工夫をしましょう。
普段からお茶や水を飲む習慣をつけることは、虫歯対策において非常に大切です。
歯ブラシを変えてみる
歯ブラシを変えることで、興味が芽生えるケースもあります。
お子さんの好きなキャラクターやカラーの歯ブラシなどに変えたり、歯ブラシにお気に入りのシールを貼ってあげましょう。
お子さんの「歯磨きをしたい!」という意欲を引き出してくれること間違いなしです。
パパママが仕上げ磨きをする際の歯ブラシには「仕上げ磨き用」の歯ブラシを使用することをおすすめします。
仕上げ磨き用の歯ブラシはヘッド部分が柔らかく、細かい部分まで歯茎を傷つけることなく優しく磨くことができます。
特にこれ!って決めている人以外は以下をお試しください。個人的にかなり良かった歯ブラシです。
定期的に歯科検診に行く
定期的に(3か月に1回程度)歯医者に検診に行くことは非常に重要です。
歯磨きを嫌がるお子さんの仕上げ磨きは落ち着いてゆっくり歯磨きをすることができないことでしょう。
そのため、「知らないうちに虫歯ができていた・・・」なんていうこともあります。
定期的に検診に行くことで、虫歯がないかを診察してもらうだけでなく、フッ素を添布してくれたり、正しい歯磨きの仕方も教えてもらうことができます。

でも歯医者を怖がってなかなか行けていなくて・・・
ご褒美を用意しておくのはどうかしら?

歯医者を怖がるお子さんは非常に多いです。我が家の子どもたちも歯医者を怖がり、歯医者で泣きながら暴れた経験もあります。
「歯医者は怖い場所ではない!」ということをわかってもらうため、上の子が検診を受けている様子を見せたりもしましたが、一番効果的だったのは「ご褒美」でした。
目の前にニンジンがぶら下がっていると一生懸命走るんです。それは子どもだけじゃなく大人も同様ですよね
「歯医者を頑張ったらシールを買いに行こうね」
「ガチャガチャをしにいこう!」
などと声掛けをすることで、子どもの頑張る意欲を引き出すことができます。
また、歯医者によっては、子どもにガチャガチャをさせてくれるところやシールをくれるところもあります。
- 診察予約を忘れずに!
- 待ち時間が長いと、ほかの子どもの泣き声が聞こえてくることも。恐怖心が倍増し、さらに歯医者を嫌がる可能性があります。事前に予約をし、なるべく待ち時間は短くしましょう。
お子さんが楽しく通える歯医者を見つけることもポイントです!
食生活を見直す
食生活を見直すことも、虫歯対策につながります。
- おやつの時間を決める
- だらだら食べをしない
- 3歳まではなるべくチョコレートは食べさせない
- 飲み物は基本的にお茶か水
上記は、我が家の子供たちが小さいころから意識して行っていた虫歯対策です。
赤ちゃんのころからの習慣のおかげか、メリハリがつき、おやつの時間以外におやつを欲しがることがありません。

お友達がいる時は臨機応変に対応
意識して行っていたとは言え、お友達と遊んでいるときや旅行に行くときなどは臨機応変に対応し、「絶対!」というルールなどはありませんでした。
あまり神経質になりすぎると、パパママもお子さんもしんどくなってしまうので、ストレスにならない程度に取り入れてみることをおすすめします。
まとめ
今回は、2歳児が歯磨きを嫌がる理由や楽しく歯磨きをするコツをご紹介しました。
イヤイヤ期を迎える2歳頃になると歯磨きを嫌がるお子さんは非常に多いです。歯磨きだけではなく、何に対しても「イヤ!」と反抗されるので、毎食後の歯磨き時間になるとイライラしてしまうことでしょう。
だからこそ、なるべく親子で楽しく歯磨きをしたいと考えているパパママは多いはず。
お子さんが「歯磨きをしたい!」と思える工夫や楽しく歯磨きをする工夫をすることで、歯磨きを嫌がる頻度が減ってくるかもしれません。
また、歯磨き以外にも虫歯対策はあります。
フッ素が配合されているアイテムや食生活を見直すことも虫歯予防には欠かせませんので、ぜひ、取り入れてみてください。